『ブルージャスミン』
ジャスミンは大学生の時に実業家の夫と出会い、結婚。
セレブ生活を送ってきたけれど、夫が詐欺罪で逮捕されて全てを失い、
同じ里子で育った妹ジンジャーのところへ身を寄せる。
昔から完璧だったジャスミンに引けを感じているジンジャーは
ジャスミンから見れば負け組。
二人の男の子を育てるシングルマザーで、
スーパーのレジで働いている。
働いたことのないジャスミンは、ジンジャーの彼氏チリの友人の紹介で
歯科医院の受付の仕事を始め、
インテリアコーディネーターの資格をネットで取るため、
まずはPCの勉強から、ということで学校にも通い始めたけれど、
勤務先の医者に強引に迫られたのを機に職を失う。
やっぱり出会いよ！結婚よ！とばかりに妹を連れ出してパーティに繰り出し、
望み通りハイスペックの男に出会う。
しかし彼女は、最初から自分のことを偽ってしまう。
私にはジャスミンはそれほど嫌な女には見えなくて、
ただ可哀想で、ジンジャーの恋愛
（パーティで知り合った既婚男性アルに騙される）
より応援したくなった。
ジンジャーは結構、したたかだし、地道というか、
身の程がよくわかっているので、
アルに騙された！とわかったら、振ろうとしていた修理工チリに方向転換。
まぁ一番おめでたいのは、チリのような…
おめでたいというよりも、幸せなのかもしれない。
彼に愛されているジンジャーも。
後で知ったけど、ウディ・アレンが監督。
私はウディ・アレンになんの思い入れも先入観もないので、
セレブを皮肉に描いているとも思わなかった。
最初からジャスミンが痛々しくて仕方なかった。
浮気しまくりの夫を決して疑わずに愛して信じ、
養子を我が子のように愛し…
だってきっと男は彼しか知らなかったんだと思う。
夫の裏切りを知って、心身がぼろぼろになって、
酒と精神安定剤に浸って。
もっとズルい女だったら、ここまで堕ちなかったのに。
彼女は夫に仕返しをしているけれど、それは諸刃の剣だった。
幸せになって欲しかったけど、それでは物語がつまらないわけで…
ちなみにジンジャーはまた離婚を繰り返すような気が。
そしてまた似たような男と出会って…
それを永遠に続けていくんだろうなぁ。
それにしても、大人の恋愛のゴールってなかなか難しいなと。
ゴールっていうのは語弊があるけど、他に言葉が思い当たらない…
未来？
若いころは結婚して、子供を作って…みたいなモデルがあるけど、
人生が終盤に差し掛かった年齢での恋愛は、
どこを見据えたらいいのかなって。
結婚ならともかく、恋愛で縛り合う意味はあるのかなとか。
私が捕らわれているガチガチのモラルや
拘りや主義を一旦、宙に放り投げて、
きっと私はそうしたら、一切の拘りが消えて、
嫉妬も消えて、すごく理解のある彼女になれると思うんだけど。
でもそうしたら私も自由にふわふわ飛んでいくわけで…
果たしてその関係は幸せなのかな？？
