Legend
亡くなった人はレジェンドじゃない。
息子にとって、亡くなった夫はレジェンドであってほしいと思うけれど、
私にとっては、更新されないブログのようなもの。
そこにずっとあり続けるけれど、新しい言葉は紡がれることはない。
蔑ろにするべきじゃない。
でも欠陥もあった、良いところもあった、かつて生きていた普通の人間。
それ以上でも、それ以下でもない。
思い出はかけがえのないものだけど。
病気になるのは避けがたいことだけど、
そこに至る理由が本人にあったとしたら。
避ける方法があったとしたら。
遺された人間は、あそこでああすればよかったのではないか、
こうすればよかったのではないか。
ずっと十字架を背負い続ける。
自分のせいではなかったと思いながら、それでも諦めることができない。
怒りが生まれる。
なぜこんな思いをさせるのか。
殺された友人に対しても、
なぜそこで正義を貫かなければいけなかったのか、
なぜ破滅の道を選んだのか。
私なら大切な人のことを想って、
哀しませるようなことは避ける。