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コトノハ

こころからこぼれおちることば。死別シングルマザーです。13歳の息子とふたりぐらし。

frontierの不遇

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私の母方の祖父の叔父は、

1900年代にアメリカに渡ってアーティストとして名を残した人で、

検索すると、海外で受賞した作品や、

美術館に収蔵されている作品も出てくるし、

名前や作品が載っている書籍もあるのですが、

アメリカで客死したため、日本ではほとんど名前が知られていません。

同期に活躍した友人たちは、第二次世界大戦前に日本に戻ったり、

ハリウッドで活躍したり、名前が残っている人も何人かいます。

 

母は祖父から譲り受けた作品を一つだけ持っていて、

母は祖父から、私は母からその人の話を聞かされて育ち、

いつしかその人の名を日本の業界にも残すことが、

私の使命のように感じていました。

 

偶然ですが私の結婚相手もその人と同じ仕事だったので、

これはやはり私にそのことが託されているのでは?と思い続け、

独自に調査すること12年。

母の弟、私の叔父が残りの作品を譲り受けていたので、

それも全部我が家にやってきました。

 

途中、ネット上の見ず知らずの人にメールを送って

情報提供をしてもらったこともありました。

一人は日本人、

もう一人はアメリカの大学教授で、

日本で出版された著作に私のご先祖のことも書いていたので、

なにか教えてもらえるかな〜と思ったのですが、

逆に私が教えたことの方が多かったかも(笑)

ご先祖は割と早くに亡くなり、その後、戦争が起きたので、

謎の人となっていたみたいで。

私のヘンテコ英語でなんとかやりとりしました(笑)

 

国立国会図書館に行って、

当時のカリフォルニア州で発行された日本の新聞も調べて、

告別式の告知も見つけたり。

 

アメリカの、確かFamily Treeとかいう家系図サイトだったかなぁ…

なんと当時の国勢調査票がそのままスキャンされて見ることができたときは、

感動しました。

100年以上も前の直筆の書類が残ってるんですよ!

日本ではこうはいかないですよねぇ…

 

告別式をやった教会も、googleストリートビューで見つけたり。

googleがなかったら、私も成し遂げられなかったかも。

テレビに依頼したらやってくれそうなネタではあったのですが、

コネがなくて…

探偵ナイトスクープではイマイチですしね(笑)

 

そんなこんなで、今から5年ほど前、

他の似たような境遇のアーティストと一緒にではあるのですが、

とある小さな博物館で展示をすることができました。

業界的には名の知れたところだし、

パンフレットなども制作していただいたので、

これで日本でも名前を残すことができたとホッとしました。

以前は英語で名前を入力しないと検索に引っかかりませんでしたが、

今は漢字で検索すると、まずその展示のことが出てきます。

 

博物館と橋渡ししてくれた夫は、

その展示が一般公開される直前に倒れてしまい…

でも展示し終わった時点で見せてもらってとても喜んでいたのでいいかなと。

奇しくもご先祖とほぼ同じ年齢で亡くなったので、

それを悪いほうに捉えるか、運命だったと受け止めるか…

私はマイナスには捉えたくないんですよね。

 

でもなにか人知の及ばないところで色々なことが決まっていて、

私たちはそれに流されて生きているだけのような気がすることが

時々あります。

ある程度は抗って、違う方向に持っていくことはできると思うけれど。

そしてその人が新天地を目指したフロンティア精神は、

私にもきっと流れていると思うから、

いろんなことにチャレンジしていきたいかな。

息子にもそうしてほしいけれど、どうでしょうか…

 

ちなみに作品は50点近くあって、一般家庭では管理できないということで、

ほとんどをその博物館に寄贈しました。

またいつか、別のところでも展示してもらえることを願っています。

 

いつかその人のことを本に書いてみたいなぁ…

謎の部分が多いので、フィクションになるのかな。

祖父が書き遺したものでその人の遺品のことに触れていて、

婦人物の時計が残っていたようなんですよね。

独身のまま亡くなっているので、色々な想像が膨らみます。

 

タイトルに不遇と書いたけれど、

死後の扱いが日本で不遇だったと思うだけで、

不幸だったとは限らないと思ってます。

太く短く生きたんじゃないかな。

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