コトノハ

かるいよみもの。

『クロワッサンで朝食を』

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雪深いエストニアで高齢の母を看取ったばかりのアンヌに、
パリで同じエストニア人の高齢マダムのお世話する仕事がきて
若い頃フランス語を習ったし!と意気揚々とパリに来るのだけれど、
まーこのマダム、フリーダの口の悪いこと。

若い頃は奔放に生きていたので、
(知人の旦那も見境なく手を出していた)
故郷の親兄弟からもとっくに見放され、
訪ねて来る友人もほとんどいない天涯孤独の身なのも当然。

唯一気にかけてくれているのは、
若い頃に一時期愛人だったステファンだけで、
アンヌを雇ったのも彼。

次第にフリーダも心を許すのだけど、
ステファンに冷たくされて落ち込んで
なんとか元気付けようとしたアンヌには八つ当たり。

フリーダはジャンヌモロー。
昨年亡くなったそうですね。
ステファンはジャンレノ風で結構色気ムンムン。
アンヌは綺麗なのかおばちゃんなのか微妙…
でも足はやたら綺麗で、ミニスカでも生足。

その足をわざわざ振り返って見ていたパリの男…
本当にあんなことするのかな?

イタリアの男性は…
ベネツィアフィレンツェしか知らないけど
だいたい優しかったですよ。
女性は無愛想でこわいです(笑)

エールフランスの男性CAは
エンゲージリングを付けていたせいか、
ちゃんと「madam」と呼びかけてくれたし。

映画の話に戻ると、
フリーダはお金持ちの未亡人なので、
寝る時でもデッカいマベパール(半球のパール)のリングをはめてるし、
アクセサリーはほぼシャネル。
衣装もシャネルが多かったかも。
なんでもジャンヌモローの私物だそうで。

でもジャンヌモロー、いくらお年寄りでも、
あのたるんだお腹はないだろうと思ったけど…

フリーダの部屋も調度品も高級品でセンスよくて素敵だし、
エストニアのアンヌの部屋はいちいち可愛いし。
ずっと見ていたい映画だったな。


エッフェル塔はやっぱりいいですよね…
あの色、繊細なレースみたいな造形も。

アンヌがフリーダと喧嘩して「やめたるわ!」とばかりに
荷物を持って飛び出し、
真夜中から明け方まで、あてどなくパリを彷徨うシーン。
水銀灯に照らされる街や、
白々と明けてくる空と建物のコントラスト。
なぜかすごく懐かしい感じ。

私も20年くらい東京にいるけど、
早朝の東京の街はよそよそしい空気で
いつだって余所者みたいな気分になる。
でも多分、アンヌももうエストニアには帰りたくなかったんだろうなぁ…

おそらく、フリーダの家を飛び出す時、
憧れの洋服や靴を買ってきて身を包んでるんだけど、
クロワッサンで暖を取るくらいなのに、生足。
そこがちょっとパリジャンになりきれてなくて可愛い。