コトノハ

かるいよみもの。

世界一キライなあなたに

f:id:vegamoon:20171024233005j:plain

原題: Me Before You

 

富豪の息子でイケメン、頭脳明晰、スポーツ万能。

誰もが羨む存在から、交通事故で四肢が麻痺して首から上しか動かせなくなったウィル。

かたや父は失業、妹は未婚の母。

一家の家計を支えるため、自分は大学を諦め、妹を復学させるため、

ウィルの世話をするため雇われたルー。

 

体が不自由ゆえに不機嫌なウィルが純粋で優しいルーに次第に心開いて…

というハートウォーミングなだけの話ではなく、

実は安楽死というシリアスなテーマがあります。

 

私が幸運だったのは、相手が口をきけなかったから。

きっと口がきけたら、痛みや辛さや不満を私にぶつけただろうし。

ウィルの元カノも事故の後にウィルに拒まれ、

結果、彼の親友と結婚するので悪い女みたいに描かれてますが…

でも心を閉ざした相手には手を差し伸べることができないし、

もちろん助けることもできないですからね…

ルーはいわばタイミングがよかったんじゃないかなという気も。

 

例えば花が種に次の命を託し、翌年も花を咲かせたり、

動物が子を残したり、死して肉を食べさせて他の命を繋いだりするように

ウィルはルーに出会って恋をして、

残って彼女を見ていたいという思いもあっただろうけど、

それ以上に彼女を普通の形で愛せない辛さもまた育っていたのだろうし。

でも死ぬことが少し怖くなくなった部分もあるんじゃないのかな。

彼女に自由を与えることで。

 

この世には、いろんな形の愛と愛し方が存在して。

ままならぬ恋愛もあるけど。

だけど確実なのは、お互い生きて存在しているなら

たとえ離れることになっても、

死んで離れ離れになるよりは全然マシだなって。

当たり前のことなんだけど…

恋愛してると、これ以上に辛いことがあるだろうかなんて思うものだから。

保存