コトノハ

かるいよみもの。

強引'g My way

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今思い返すと、予感があったのかな。

他の子の父親よりも夫は年を取っているから、

息子と夫が一緒に過ごす時間は、他の親子よりも少ないと思っていたので、

思い出作りにこだわっていたかも。

多少、無理してでも、年に何度かは泊りがけで旅行を、と思っていた。

 

日々のやりくりでいっぱいいっぱいで普通の貯金は無理だと思ったから、

生協の出資金という形で貯めて、

年に一度、その数万ほどを払い戻して、旅行資金にあてていた。

何度かは一泊でディズニーランド。

一度、千葉の房総の民宿に泊まりに行ったこともある。

宿の印象はあまりないんだけど、海はきれいだったな。

 

正直、夫はこういうことに否定的だったと思う。

今、無理して旅行に行くことはないんじゃないか。

そんな態度が少し見え隠れしていた。

行けば喜ぶ息子の顔を見て、自分も楽しんでいたように思えるけど…

 

息子が8歳になった翌月、夫は倒れた。

息子が学校に行っている間に、

二度と話すことも、意思疎通もできなくなった。

 

強引な私の思い出作りだったと思うけれど、

息子の記憶には残ってなくても、今ではたくさんの写真が残っていて、

私が無理して計画を実行していたことなんて息子は知らないまま、

きっと大人になった時に、

父親がいろんなところに連れて行ってくれたんだなと思うんじゃないのかな。

 

私はそれでもいい。

彼の記憶に、父親との思い出が残るのなら。

大人になって、家族を持った時、

自分の子供にたくさん思い出を作ってあげられる父親になってほしいから。

 

子供を育てるということは、

将来、親になる人間を育てるということだと思う。

大人になった息子が、親になりたくないと思うなら、それも自由だけれど。

きっと彼は家庭を持ちたいと思うタイプなんじゃないかな。

その時に、どんな家庭を築くのか、楽しみ。

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